2012年6月 5日
【筑波大学新聞コラム】 女子サッカー U-20日本代表 猶本 光(体育1) なでしこの舞台へ

ws-moto.jpg 抜群のパスセンスを武器に、積極的に前線に飛び出し、ゴールを狙う。「ポスト澤」として期待を集める攻撃的MF(ボランチ)、U―20の「なでしこ」が本学にいるのをご存知だろうか。大きな瞳と愛らしい笑顔がトレードマークの猶本光(体育1)だ。

 


 小学校1年生のとき、一つ上の兄の影響でサッカーを始めた。4年後には、幼い頃から続けていた水泳をやめ、サッカー一本に打ち込むほど、サッカーにのめり込んでいった。現在は本学の女子サッカー部ではなく、なでしこリーグで優勝を目指す浦和レッズレディースに所属する。


 生来の「負けず嫌い」。中高大と電車で通学し、自由な時間が少ない中でも、人一倍練習を重ねてきた。2010年U─17W杯決勝、日本代表は韓国にPK戦で敗れ、準優勝に終わった。日本がボールを支配していたにもかかわらず、PK戦に持ち込まれたことが、今も悔しい。その反省を生かして技を磨き続けた成果は、今年2月の日本代表候補合同合宿で、「なでしこチャレンジ」に起用されたことに表れている。このチームは「なでしこジャパン」の予備軍であり、U─20の一段階上の選抜チームだ。


 ボランチは、攻守両方に関わり、試合全体を見なければならない重要なポジションだ。2011年W杯優勝を果たしたなでしこジャパンメンバーでは澤穂希選手がこなしたポジションで、彼女が目指す「ポスト澤」は、バルセロナで司令塔として活躍するスペイン代表MF、シャビ選手のように、早いポジショニングと高速パスなどテクニックを武器とする次世代型攻撃的MFだ。


 本学にいるなでしこジャパン、熊谷紗希選手(体育4)、安藤梢選手(院3)を指導している西嶋尚彦教授(体育)は、猶本を「戦術的なコミュニケーションが上手な選手であり、ピッチを華やかにするファンタジスタである」と表現し、司令塔としてのセンスがあると断言する。


 入学して1カ月、授業が終わるとすぐにチームの練習へ向かう。週1回の休日は、自分のプレーとあこがれのバルセロナのプレーをビデオで比較分析。アスリートとしての身体作りに気をつかい、魚や肉中心で高タンパク食の手作り弁当を持って通学する。世界チャンピオンとなったなでしこジャパンを目指すライフスタイルは、妥協を許さない。


 熊谷選手や安藤選手の影響で本学への進学を決めた。本学が研究開発しているトレーニング方法と選手育成方法は世界トップレベルで、世界水準の選手を育てる環境があるためだ。また、将来の選択肢を広げたかった。体育の教員免許をとる予定であるなど、指導者ヘの道も視野に入れる。


 今年の8月、U―20女子W杯が日本で開催される。「とにかく試合に出ることが目標。なでしこジャパンの影響でU―20も注目されているので、たくさんの人に試合を見てもらって、サッカーの楽しさを知ってもらえたら」と話す。


 「サッカーがない人生は考えられない」。はっきりと語る彼女の大きな瞳は、サッカーへの情熱と未来のなでしことしての夢に満ち溢れていた。

 

(文責:筑波大学新聞 鈴木)