2009年5月12日
つくりんぴっくを通じて ~アダプテッド・スポーツ~

「つくりんぴっく」って何だろう? 

「つくりんぴっく」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 

日本では、約20人に1人が障害をもっているのだそうで、とても身近な問題にもかかわらず社会には有形無形の様々なバリアがあります。ここ、つくばでは、アダプテッド・スポーツの視点にたって特別なニーズのある児童・生徒にも対応できるようにということで筑波大学を会場に、「つくりんぴっく」が開催されています。

この「つくりんぴっく」について主催者の一人でもある体育科学系准教授の齊藤まゆみ先生にお話を伺いました。
つくりんぴっくの名前の由来は、つくばの「つく」とオリンピックをかけあわせた造語だということです。

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場所プログラムとしてのつくりんぴっく 

 障害のある人もない人も共にスポーツを楽しむことを目的とした「場」をつくること、これがつくりんぴっくの最も大事な点であると斉藤先生は言います。3回目までは,関係者だけのイベントだったということで、まだまだこれからより良いものにしていく発展途上の大会ではあるけれども、参加者もボランティアも年々ぞうかしているそうです。まだまだ身体を動かして楽しむ機会が少ない現状の中で、このような障害のある人もない人も一緒に楽しめる「場」の提供というものが非常に重要だと考えているとのこと。

 つくりんぴっくの内容 

> 実際の活動の内容について教えてください
mog.jpg 「企画・運営を筑波大学特殊体育研究室の学生が主に行い、ストラックアウトやフリスビー、ボウリング、もぐら叩きなどを行いました。参加者がそれぞれで障害の程度が違うために、ボランティアの学生が一緒に遊ぶお兄さんお姉さんとなってペアを組みました。個人個人に応じてアトラクションの難易度も変化する仕組みです。また、今回は初の試みでバルーンバレーボールを行いました。これまでが個々に対してのものだったのに加えて、集団球技を取り入れたわけです。企画段階で学生達は,3回で返すなど細かいルールも決めていたのですが、逆に面白くなくて、自然に何回もタッチして返すという現象が生まれました。それが面白くて、盛り上がりました。要するに、最小限のルールで十分で、子ども達がボールに触れて楽しめる要素があれば良いということに気づかされるなど、新しい発見もたくさんありました。」

 ball.jpg 学生の対応についても、アンケートで参加したほとんどの方が、こどものペースに合わせた対応で子どもが喜んでいた、笑顔がたくさんで素敵だったなど の良い評価を頂いたということで、「とても楽しいのでまた参加したい」という声もたくさん聞かれるなど、このイベントの持つ意義がいかに大きなものかがわ かります。


 ボランティアのほとんどは大学の学生で、講義の中で様々なことを学び、そこで得た知識を持って実践の場へ臨むわけですが、やはり座学と実際は大違いでビックリした様子だったそうです。それでも、すぐにそれぞれが担当の子どもに合わせて柔軟に対応できたそうで、それが成功の鍵だったとも先生は考えています。。中には、走り回ってヘトヘトになった学生もいるようですが、その顔は笑顔で楽しそうだったそうです。



今後のつくりんぴっくと場所プログラム 

 「つくりんぴっくはまだまだ認知度が低い現状です。しかしながら、学生ボランティアと企画運営をおこなうスタッフによって年々発展します。 現在は、年1回の開催がやっとの現状ですが、アンケートには年に複数回開催の希望も多く見られます。また、ボールを扱った種目の希望などもあり、将来性があるイベントです。 重要なのは、つくりんぴっくという「その大会」が大きくなることよりも、このつくりんぴっくをモデルケースとして、多くの場所で同様のイベントが開催され、障害のある人もない人も、学校や家庭以外の場でお互いに交流する機会を増やすことだろうと思います。」 齊藤先生は、この「場所プログラム」を通じた交流の重要性をこう話してくれました。
 このような大会があることを知ることで、より身近なものとして障害について考え、このようなプログラムに参加してみてはいかがでしょうか。