2011年6月20日
【アスリートの顔】大学院生特集Ⅱ~競技エアロビック体操部 諏訪部和也選手~

229583_1878199470534_1107678539_31979353_6421957_n.jpg2011年6月5日(日)のスズキワールドカップ2011
第22回世界エアロビック選手権大会が終了し、諏訪部和也選手(院1年)が、
世界ランキングトップで今季のワールドチャンピオンに輝いた。

筑波大学では4年間体操部に所属し、大学院進学後の2010年8月より
休学しフランスに留学、今年の6月に帰国し、現在大学院で研究を行いながら8月のユニバーシアードに向けてトレーニングを重ねている。

競技エアロビックは日本ではまだ認知度が低く、トレーニングの環境や
選手のバックアップ体制も十分とは言えない。
11歳で競技エアロビックを始め、世界トップレベルの競技者に至るまでの
取り組みや、今後の競技エアロビックにかける思いを聞いた。


(Q1)競技エアロビックの魅力と始めたきっかけを教えてください

競技エアロビックとは、フィギアスケートやシンクロナイズドスイミングなどと似て、
ショーの要素が強い種目です。競技エアロビックならではの魅力としては、
客席正面の観客に向かって、アップテンポで軽快なリズムの演技を披露し
身体一つで観客と一体となって盛り上がれるところですね。

もともと、妹がバレエを習っていたのがきっかけでダンスの世界に入りました。
そのバレエスタジオはヒップホップダンスやエアロビックにも力を入れており、
小学校高学年の時にヒップホップダンスを習い始めたスタジオでエアロビックと出会い、
その華やかさと迫力に衝撃を受け自分もやりたいと思いました。


(Q2)筑波大学体操部での活動はいかがでしたか?


中学校・高校時代は、地元のスタジオを辞め、個人で練習をしながら月に1、2度、
長野から横浜に通い当時世界チャンピオンだった伊藤由里子先生の指導を受けていました。

大学では毎日体操部と一緒に練習ができたので、やはり常に一人でトレーニングをするよりも
仲間がいるという面でとても心強かったですね。
筑波大学はラート競技がとても強く、国際的に活躍している先輩に技術の相談に
乗ってもらったりすることもできました。
同じ場所で同じ時間を過ごせることのありがたみをすごく感じました。


(Q3)大学院1年次の8月からのフランス留学について聞かせてください

大学院に進学し研究に取り組んで行こうと考えていましたが、
競技に対して100%の納得が得られていなかったことから、留学を決意しました。
当然、両親には反対されました(笑)
けれど、行くと決めてからはずっと応援もしてくれていましたし、自分のエアロビックを
応援し支えてくれている周囲の方の励ましもとても力になりました。
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フランスにいってからは、転戦をしながら、日本よりレベルも競技への理解も高い場所で自分のエアロビックを見つめ直し、技の精度を高め、
毎日できる限りのことを吸収しました。


(Q4)今後の展望を聞かせてください


今年8月のユニバーシアードにペア競技でエアロビックが導入され、選手に選出されました。
普段別々の場所で練習をしている選手とペアを組むということで大変な部分もありますが、
日本代表として精一杯良い演技をします。

シングルスとしては、2012年に行われる世界選手権を一つの節目として考えており、
この試合に全てをかける気持ちでいます。

その後は大学院で研究に打ち込み、将来は大学教員になりたいと考えています。
大学において、部活動として競技エアロビックができるところは少なく、
その競技環境から日本では競技エアロビックが発展していません。
もともと、競技エアロビックの発祥がスタジオでのエクササイズが目的で、
スポーツとしての位置づけがまだ認知されていないことも大きいですね。

世界選手権が終わった後は、競技への取り組み方の転換も考えています。
具体的には、これまでは自分自身の競技を見つめ続けてきたので、
学んだことを活かして後輩の指導にあたったり、自らの経験も伝えていきたいです。

自分自身が競技で成績を残すことによって、日本の競技エアロビック界に意見を述べ、
フェンシングの太田雄貴選手のように、活躍することで競技エアロビックの人気も高め
普及に貢献していけたらと考えています。

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競技エアロビックは他のメジャーな競技と比較し、世界で活躍するような選手に対しても
まだまだ十分な補助はなく、国内でのトレーニングの基盤も定まっていないという。
諏訪部選手は、子供たちへの指導や、ファンの方への応援グッズ販売などを行うことで
海外転戦や留学費用の負担を軽減している。

諏訪部選手は「十分に援助をしてもらえたらもちろん有難いが、厳しい環境だからこそ、
応援してくれている人たちの温かさを感じます。」と話す。


留学を終え、現在は大学院に復学し運動生理生化学を専攻している。
「難しい分野の研究ではあるが、やるならとことん研究に没頭したい。
一番難しい、一番大変だ、って言われるとなおさら燃えるんですよね!」と笑顔で話す。

(写真・文責 筑波大学スポーツアソシエーション 戸波)