2011年6月13日
【アスリートの顔】世界で勝つために ~硬式庭球部 石津幸恵選手~

DSC00119web.jpg2010年7月、日本人選手としては41年ぶりのウィンブルドン選手権女子ジュニア決勝進出を果たした石津幸恵選手(当時:土浦日大高3年)が、
今年4月筑波大学体育専門学群に入学した。

ウィンブルドンでは惜しくも準優勝であったが、その攻撃的な姿勢を貫くテニスは、今後世界のトップレベルの選手へと進化することを確信させるものであった。

昨年10月にプロ転向し、現在も海外遠征や転戦の忙しい日々を送りつつ、筑波大学硬式庭球部に所属し同級生や先輩とお互いを刺激し合っている彼女に、大学生活についてや今後の展望を聞いた。

【プロフィール】
石津幸恵(いしづ さちえ) 
体育専門学群1年次 
出身:土浦日大高校 身長:164cm
右利き、バックハンドストロークは両手打ち

【経歴】
4歳でテニスを始め、小学2年生で福島県県大会(12歳以下部門)で優勝し、以来北海道へ転居するまでの3年間で県大会18回優勝。全国小学生大会・全国中学生大会に優勝し、2006年にITF(国際テニス連盟)ジュニアサーキットへ参戦。

2008年(高1)8月:埼玉国際女子テニス シングルス優勝
2010年(高3)1月:ITFジュニアサーキット カサブランカカップ シングルス優勝
         7月:ウィンブルドン選手権女子ジュニア部門 シングルス準優勝
        10月:プロ転向を発表
2011年5月(大1):カンガルーカップ国際女子オープンテニス シングルス優勝
今後  8月(大1):ユニバーシアード日本代表に選出されている
DSC00110.jpgWTA(女子テニス協会)ランキング
シングルス 224位(日本人選手の中では9位) 
ダブルス   369位(日本人選手の中では15位)  6月6日付


(Q1)筑波大学へ進学を決めた理由は?

小さい頃からの憧れでもあり、高校を卒業したら筑波大学へ行きたいと考えていました。
競技者として15年近く続けていますが、科学的に、客観的に自分のテニスを見つめ直したい
という思いもあります。
筑波大学へ進学し、教員免許を取得し将来は教員になりたいと考えていますので、
今後指導者になるためにも筑波大学で学ぶことは最良の選択だと信じています。


(Q2)プロ登録をしながら、筑波大学硬式庭球部に所属している理由は?

学生の大会には出場することはできませんが、ツアーなどに行っていない間は週の半分くらいを
男子部と一緒に練習させてもらっています。
高校時代にも週に1~2回筑波大学に練習に来ており、その延長線上にあるという状況です。
山田監督を始め、テニス部の皆さんには本当に配慮をして頂き、
大学に入って初めての国際大会(2011カンガルーカップ)でも優勝することができました。
この結果は、本当にテニス部でのトレーニングの成果だと思っています。


(Q3)トップレベルの選手が多い筑波大学体育専門学群で、同級生の影響はありますか?

昨年出場したユースオリンピックでの知り合いもたくさん入学し、同級生に負けないよう頑張らないと!と、とても良い刺激を受けています。
DSC00118.jpg世界を目指す同じ目標を持った、一生大切な仲間であると思っています。

(Q4)2010年7月ウィンブルドンジュニアで準優勝した時の
気持ちを聞かせて下さい


決勝戦は2年前まで数々の名勝負が繰り広げられてきた
旧センターコートで行われ、1万人以上の満員の観客の中で
プレーしたことは大きな自信になりました。

最後の最後で詰めが甘く、タイトルを逃したことは少し悔しいですが、
次回はジュニアではないタイトルを取るべく努力を重ねていきます。
表彰式で、負けた自分に大きな拍手を頂いたことが印象に残っています。
                     

(Q5)転機となった試合はありますか?

15歳の時、埼玉国際女子テニスにノーランキングで予選から出場し、決勝までの7試合を勝ち抜き、
優勝した時です。プロの参加する試合出場は3試合目だったのですが、あの優勝で、
プロの世界で戦っていく自信がつきました。


(Q6)今後の抱負をお聞かせください

現在、7月のフェドカップアルゼンチン戦の代表候補6人に選出されているので、
選出されれば日本代表として精一杯戦ってきます。
ランキングは現在220位でグランドスラムの予選に参加できる位置まで上がってきましたので、
本戦に直接臨める110位前後まで上がれるよう、7月以降のヨーロッパ・アメリカ遠征で
結果を出していきたいと思います。

8月には中国でユニバーシアードに参加します。
日本のエースとして結果を残さなければという重圧もありますが、体調管理がしっかりできれば
必ず良い結果を出せると思います。
筑波大学の名誉のためにも精一杯頑張ってきます!







テニスを始めた頃から、コーチであり父である石津泰彦さんと2人3脚で心技体を磨いてきた。
取材当日は、夜19時から土浦市神立のコートで練習が開始された。
アップのラリーから、徐々に持ち味である強烈なショットが打ち出され、コーチから
「コーナーにしっかり打て」「そんなんじゃ取られちまうぞ」といった厳しい言葉が飛ぶ。
親子だからという甘えはなく、正確に、コーチの求めるショットを打ち込む姿は、
まさに『くらいついていく』という気迫が感じられた。


練習が終わり大学生活について聞くと、「大学のご飯では、粉クリ(粉とクリーム)が好きです!」
と、途端に柔らかい笑顔になった。
DSC00116.jpg

同級生との撮影でも、「さっちーそのポーズ変だよー」と指摘されたり、「靴下の日焼けが目立って
困ります(笑)」など、明るい笑い声が絶えない。(写真:硬式庭球部同級生と)

常に攻撃的なテニスが勝利の秘訣だが、迷うこともあるという。
「一瞬の迷いで振り切れなくなってしまうこともあります。メンタル面の強化も意識していますし、
多くのスポーツ選手の本などを読み、気になった言葉はメモしています。
イチロー選手を特に尊敬していますね」

筑波大学は、スポーツでもレベルが高く、勉強も両立させている人が多いのも魅力だと話す。
「トップレベルの選手が、勉強もスポーツも努力している姿を身近に見ることができ、
自分も頑張ろう!という気持ちになります」

筑波大学から世界へ、大学1年生の石津選手の挑戦はまだ始まったばかりである。


(写真提供:石津泰彦さん、取材・文責:筑波大学スポーツアソシエーション 戸波)