2009年10月19日
「スポーツの顔」アジアカヌー界の女王 小野祐佳(体育1年)

supogao.jpg 序盤からリードを奪い、2位以下に差をつけてそのままゴール。本学からカヌーのアジア女王が誕生した。今年7月にシンガポールで行われた第1回アジアカヌースプリント大学選手権に出場し、女子カヤックシングルの500メートルと200メートルで見事優勝を果たしたのは、カヌークラブ期待の新人、小野祐佳(体専1年)だ。

 カヌーはパドルと呼ばれる櫂を使って艇を漕ぐスポーツ。スラロームと呼ばれる川下りや、レーシングと呼ばれる平水面での競技がある。小野の専門は後者だ。

 カヌークラブでレーシングをしているのはわずか3人。艇に乗っての練習は週に6回、土浦市を流れる桜川で行われる。この精鋭部隊から誕生したアジア女王だが、「優勝出来たことは嬉しいが、レースまでに十分練習できていなかった。高校までの貯金で勝てたようなものだ」と厳しい。

 小野がカヌーを始めたのは小学3年のとき。カヌー教室に入り、スラロームで遊んでいたという。それが小学5年のとき、市のカヌー協会から「秋田国体に向けてレーシングをやってほしい」と言われ、「カヌー教室」が競技に勝つことを目的とする「カヌークラブ」に変わった。そのころからレーシングに専念し、大会に出るようになった。中学3年のときには全国優勝も果たした。

 高校進学後もクラブでのカヌーは続けたが、多くの大会で全国2位止まりだった。そのときに優勝を重ねていたのが、現在ナショナルチームで活躍している、小野より1つ年上の大村朱澄(あすみ・早稲田大2年)だった。2人は小学生のころに出会い、中高ではジュニアのナショナルチームで一緒に世界に挑戦してきた。大村について小野は、「彼女がいたから頑張って来られたと思うし、これからも頑張る理由」と語る。

 その後「カヌーの指導者になりたい。そのためには大学で勉強しなければ」と、本学への進学を決めた。そして入学直後の7月、弱冠18歳でアジア女王の座に輝いた。

 本学に入学してから今までは艇に乗っての練習を中心にランニングやウエイトトレーニングをした。オフシーズンの練習については、体力作りやフォーム改善を重点的に行う予定だ。これまでオフの休養は1─2週間ほどだったが、これからは他のシニア選手のように、1カ月弱はケアしつつ休養することになる。

 「ナショナルチームに入り、そして先輩(大村)を目指す。オリンピックで一緒に戦いたいから」と語る小野。彼女が世界の舞台で活躍する姿を見る日は、そう遠くはないだろう。

【写真・文=森田聡/筑波大学新聞280号より】