2012年12月19日
【筑波大学新聞コラム】体操部松浦佑希(体育2)第18回全日本ラート競技選手権大会女子総合部門優勝!

spogao-motoon.jpg 鉄輪が回る.優雅かと思えば突然の激しい回転.......雄大な演技で観客を魅了する体操器具,ラート.この大きな器具を操るのは体操部期待の松浦佑希(体育2)だ.
 鉄製の大きな輪を平行につなぎとめた体操器具「ラート」.中に入り重心を移動させれば,競技者はラートと共に回転する.大会では技の難易度や美しさが競われる.

 

 松浦は2年生にして,今年9月に行われた第8回全日本学生ラート競技選手権大会で入賞するなどの活躍を見せる.大学入学まで続けてきた体操競技の経験が,今の彼女の基盤だ.本谷聡監督(体育系・講師)も「(体操の経験があるため)ラート特有の基本的な技術に慣れてきた.世界で活躍できる選手になってほしい」と期待を寄せる.

 

 両親の勧めで3歳から始めた体操競技.松浦は競技の奥深さに魅せられ日々練習に励んでいた.だが体操の楽しさに夢中になっていた中学1年の冬,その歩みは阻まれる.体操選手にとって致命的な手の負傷.医師に,もうスポーツはあきらめた方が良い,とも言われた.「競技生活から1年も離れてしまった.大好きな体操競技ができなくて,焦りと苦しみでいっぱいだった」と当時を振り返る.その後は手術により奇跡的な回復を遂げ,中学3年のとき全日本ジュニア体操競技選手権に出場した.

 しかし高校に入学すると,新たな葛藤と向き合うことになる.いくら練習しても,思うような成果が出ない.不調な日々の中,他の競技に転向しようと思ったことも度々あった.

 そんなある日.ふと訪れたとある体操祭で不思議なスポーツに遭遇する.大きな鉄輪と一体となり,自在な動きを見せる人々.体操競技一筋だった彼女にとって,ラートの演技は心ひかれる光景だった.「見たことのない体操器具.『あれは何だろう?』という好奇心に駆られたことを今でも覚えている」と語る.松浦とラートとの出会い.奇遇にも,その日見かけたのは本学体操部卒業生の演技だった.

 

 さらにラートとの「えん」は続く.

 

 本学入学直前,知人を介して知り合った堀口文選手(体育4).「一緒にラートで世界選手権へ行こう」.世界を舞台に戦う彼女の一言が,松浦をラートの世界へと導いた.

 将来の夢をたずねると,「遠い未来のことはまだ分からない.それより今の私には必ず遂げなければいけない目標がある」.来年7月にシカゴで行われる第10回世界ラート競技選手権大会だ.堀口選手と憧れの舞台に立ちたい.そのためには,まず今年12月の全日本ラート競技選手権を突破する必要がある.

 「大好きな体操にとことん力を尽くしたい.体操を続けさせてくれた母のために.そして,声をかけてくれた堀口選手のためにも」.支えてくれる人への感謝.敬愛する先輩との約束.まめだらけの手を握り締め,彼女は微笑んだ.
 2013 年7月の世界選手権大会.その華麗な演技は,喝采の中心にあるのだろうか.

 (筑波大学新聞)

 

【第18回全日本ラート競技選手権大会】

日時:2012年12月15日(土) ~ 2012年12月16日(日)

 

女子総合部門
 松浦佑希(体育2),合計26.25 (直転9.80/斜転8.00/跳躍8.45),優勝
 堀口 文(体育4),合計25.75 (直転10.20/斜転6.85/跳躍8.70),第2位
 吉行暢子(体育4),合計18.60 (直転6.95/斜転4.25/跳躍 7.40),第7位

 

女子直転部門
 堀口 文(体育4),得点10.20,優勝
 松浦佑希(体育2),得点9.80,第2位
 前原千佳(体育4),得点8.95,第4位

 

女子斜転部門
 松浦佑希(体育2),得点8.00,第3位
 堀口 文(体育4),得点6.85,第6位

 

女子跳躍部門
 堀口 文(体育4),得点8.70,優勝
 松浦佑希(体育2),得点8.45,第2位

 

下記の番組で紹介される予定です.
2012年12月30日(日) 8:00-9:45 の中の1コーナー
TBS:サンデーモーニング